北野武さんの言葉には、お母さんの教えが染みこんでいるようです。
北野武さんは、1947年に東京足立区に生まれ、1972年にお笑いコンビ「ツービート」を結成します。
漫才ブーム、お笑いブームの波に乗って一気にお笑いBIG3のひとりに称されるほど、日本中で誰も知らないものはいない頂点を極めます。
1989年に映画監督デビューをし、1997年には「HANABI」でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞するなど、本業の漫才師の他にも、司会者、作家、映画監督など、多彩な才能を発揮しています。
そんな北野武さんの人生哲学、とくにお金に関しての哲学は武さんのお母さんの子育て教育におおきく影響されたようです。
それは、北野武さんの言葉の随所に見られます。
お金はいずれ入るから、ムリして欲しがるな
北野武さんの「お金哲学」は武さんのお母さんの教育が大きく影響していると言います。
お母さんは「お金は汚いもので、興味を示してはいけない」と徹底的に教育してお育てになったそうです。その中でよく言っていたのがこの3つです。
「親にたかるな」
「お金が欲しいんだったら、ちゃんと働いて稼げ」
武さんはご自分で言うように、お金に対して執着心が薄かったり、物欲がほんどないのはお母さんの影響です。
昔、稼いだことを自慢するのは、今、落ち目になった奴が言うこと
「若い頃はけっこうモテたんだよ」
「昔はドライバーの飛距離300ヤードだったんだけどねぇ」
「前はよく外車の営業マンが来てたんだよ」
居酒屋とかでよく耳にする自慢話。でもこの手の自慢話をする相手は、今は落ち目だって自分で告白しているようなもの。
お金に言い換えてみれば、
昔は月収300万円
前はキャバレーでシャンパンタワーやれるほど稼いでた
家から100先のコンビニ行くんでもタクシー使ってた
これらの言葉、言い換えれば今はそうじゃないって自分で言ってるようなものですよね。
武さんは、昔話に花を咲かせたり、昔を懐古している場合じゃない。とバッサリ切り捨てています。
今、いくらか稼いでいるのかが大事で、「相変わらずスゴいですねぇ」と言われるかどうかが重要だと言います。
お金はその人が背負えるだけしか入ってこない
北野武さんは、お金はその人が背負えるだけのお金しか入ってこない、と言います。
この言葉を分かりやすいように、大航海時代のスペインを例に説明しています。
「大航海時代、南米を攻めたスペインは、インカ帝国を征服してその金銀財宝を船で持ち帰ろうとして、船が沈んでしまった」
人が持てるお金は決まっているから、たいしたことない人が大量のお金をポケットに入れても、それはどんどん逃げて行くんだそうです。
そう言えば、「あぶく銭身につかず」という言葉にも通ずるところがありそうです。
お金はメンコと同じ
北野武さんは、お母さんの言葉「お金なんかに価値はない」が体の隅々まで染まっているようです。
お金持ちが何なのか、正直よく分からない、と言います。
冬至の子供の遊びだった「メンコ」になぞらえて、こう言っています。
「たまたま勝ってメンコをたくさん手に入れることがあるが、そのメンコを自分のものだと言って抱え込むのもいいし、別に理由なくひとにあげたっていい。それに価値があるとは思っていないんだよ」
物欲がないから、人にあげたっていい。寿司屋の板前やゴルフのキャディにご祝儀渡したり、店で遭遇した仲間の分のお会計したりするのも、同じ理由なんですね。
北野武さんのことば 仕事、自分自身
鳥が飛ぶために何万回翼を動かしているかよく見てごらん
買っても当たるかどうかは分からないけど
買わなきゃ当たらない
運転手さんにあったらクルマのこと
坊さんに会ったらあの世のことでも何でも
知ったかかぶりせずに素直な気持ちで
聞いてみたらいい
自慢話なんかしているより
ずっと世界が広がる何より場が楽しくなる
たとえ知っていたとしても
一応ちゃんと聞くんだ
やっぱり自分にいちばん興味あるしさ
何に腹が立つ?って聞かれれば
やっぱり自分だしさ
誰がいちばん好きかって言えば
これも自分自身なんじゃないかね
まとめ
北野武さんの言葉には、厳しく教育したお母さんの教えが随所にうかがえます。
「お金は汚いもので、興味を示してはいけない」との考えから、お母さんは「お金そのものには価値はない」とか「金融業や投資家などは金持ちのフリをする人たちは下品」だと言っていたそうです。
そういうこともあってか、金銭欲や物欲がない北野武さんはお金を貯めるという発想はありません。
ゴルフ場や飲食店ではキャディさんや店員さんにご祝儀をはずみますし、その店にいあわせた後輩たちの会計も一緒に済ますなど、いい意味でお金の使い方が上手です。
ご自分が若い頃に、芽が出るまでの苦しい時期に旦那さんから親切にしてもらった感謝を、いま、身の回りの人たちにご恩返しをしているとも思えます。
今後も北野武さんの金銭哲学、人生哲学を触れていきたいものです。